今年のアカデミー賞授賞式、作品はパラサイトが歴史を変える快挙で凄かったけれど、個人的に一番見応えがあったのは、昨年亡くなった映画人を振り返るコーナーで歌ったビリー・アイリッシュだった。
あの場で、気持ちを押し殺すような、そして静かに吐き出すような歌いっぷりのYesterdayを聴いて、この人は人間の哀しみを歌える人だと思った。あの若さで。
そして彼女の歌から、自分が10代で初めてこの曲を聴いて抱いた静かな衝撃を思い出した。その後ビートルズに、それからロックにのめり込む入口は、そもそもこの曲だった。
そこには、言葉にならない哀しみがあった。
たくさんの亡くなった人達の名前と写真や映像が映し出され、ピーター・フォンダなどには一瞬拍手も上がったりする中、ひっそりと京マチ子が出ていたのも印象的でした。